資格取得により収入増加も可能な介護職

未経験でも介護職に就けますが、一定の介護資格がないと原則として高齢者の身体に直接触れる身体介護に関われません。無資格の介護スタッフは、主に衣類の洗濯や居室の清掃といった生活援助に携わることになります。こうした雑務だけでは、なかなか給与のアップを望めないでしょう。そこで、比較的簡単に取得できる介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの資格取得が必要になります。無資格のまま介護施設で働きながらこうした民間資格を取得するケースも少なくありませんが、可能なら介護職に就く前の取得が望ましいでしょう。

介護の民間資格は未経験でも取得可能で、有資格者は採用にも有利です。身体介護に関わりながら実績を積めば、収入もアップします。民間資格の取得者は、実務経験を重ねることにより、介護福祉士という国家資格を受験できます。介護福祉士になって勤務を継続したら、特定処遇改善加算の対象になって、さらに収入が増えるチャンスを得られるでしょう。

また、このような民間資格以外にも、未経験者が取得できる介護資格として、介護事務や認知症介助士をはじめ、介護予防運動指導員や福祉用具専門相談員から移動介護従事者やレクリエーション介護士に至るまで様々な種類が挙げられます。これらの資格は、いずれも民間の養成機関や通信教育で学べば3ヶ月程度で取得できます。自分に合った資格を選んで取得しておけば、介護職に就職した後も現場で役に立ち、責任ある立場を得られて収入アップにつながるでしょう。

未経験者でも少しの勉強で介護職に

「介護職」と聞いて身近なのがホームヘルパー(訪問介護員)です。ホームヘルパーは、介護保険法で要介護・要支援と認定された利用者の自宅を訪問して介護を行う仕事です。仕事の内容は大きく分けて身体介護と生活援助(家事援助)の二つです。

身体介護は利用者の身体に直接触れる介助で、排せつ介助(オムツ交換)、食事介助、口腔ケア、着替え、身だしなみ、車いすなどへの移乗、入浴介助などがあります。これらの介助の準備や片付けも行います。また、利用者が寝たきりの場合は、床ずれ防止のため、体位変換を行うこともあります。さらに、利用者が自分で服薬ができない場合には、服薬介助も必要になってきます。

一方、生活援助(家事援助)は調理や洗濯、衣服の補修、掃除・整理整頓、ベッドメイク、買い物など、日々の生活を送るうえで必要な家事の援助を行う仕事です。調理には、治療食や流動食も含まれます。また、一般的な家事代行の仕事とは違うので、家の大掃除や庭の草むしり、窓の掃除、家族の分の調理や家族の部屋の掃除などは行えません。

家事の得意な主婦なら慣れた仕事が多いのですが、未経験者がすぐにできるわけではなく、ホームヘルパーになるには介護の資格が必要です。民間資格の「介護職員初任者研修」を受講して修了しなければなりません。しかし、難しく考える必要はなく、130時間、基礎知識や実務を学び、最後の試験を受けるという取得しやすい資格なのです。「介護職員初任者研修」は各都道府県の認定する民間スクールで受講できます。ホームヘルパーとして経験を積んだ方は、さらに高度な専門職としての介護福祉士を目指すこともできようになります。